ついこないだ、今でもやはり同じお姿で来院されたので年齢を尋ねた。
「おいくつになられました!?」
「昭和12年生まれですから82歳になりました」

あれは、今から15年ほど前の事だったと思う。
この方は診療所にいつも必ずワイシャツ・ネクタイ・スーツで来られていた。
今計算してみると当時60歳台後半だったことになる。
何をされている方なのか知りたくて
「何か自営されてるのですか?」と尋ねた事があった。

「いえいえ、サラリーマンで定年退職していますよ」
「毎日スーツを着て来られるので、お仕事の合間に来られていると思っていました」
「いやいや、スーツを着て気を引きしめないと外に出る気がしません!」

高度成長の日本を牽引してくださった方の心意気を感じ、身の引き締まる思いがした。

「ほとんど毎日スーツを着られているという事は、新調されたりするのですか!?」
「現役の時にたくさん作りましたから、定年後は新調なんてしませんわ。」
そうか、、、私なんかはスーツと礼服が1着ずつあれば事足るが、サラリーマンの方は
何着も持っていないと駄目なんだと、改めて知った次第。。。

そして、話しはまた、15年後の、ついこないだに戻る。
「今でも現役時代のスーツを着用しているのですか!?」
「もう、ボロボロになったので、何着か買い足しました」

家の中ではカジュアルな服も着用されているらしい。
しかし、82歳になっても外出する時にはやはりスーツでないと駄目なようだ。。。
おそるべしというか、頭の下がる思いがする、元企業戦士の心意気!!

月月火水木金金、早朝から深夜までの仕事漬けのお話しも楽しそうにして下さる。

なんとなく、感謝!!

大迫歯科医院